【書評】さみしい夜にはペンを持て
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あなたは普段日記を書いていますか?
書くことは好きですか?
私は書くことが苦手です。
そんな私でも、日々続けている大切な習慣があります。
それは、”日記を書くこと”です。
特に何を意識するでもなく日記を書いていた・・・そんなときに、”日記を書くことの意味”を深く考えさせられた本に出逢いました。
今回は、改めて”書く”ことの素晴らしさに気づかせてくれた本である
「さみしい夜にはペンを持て(古賀史健さん著)」をご紹介します。
大切なことがたくさん詰め込まれていて、何度でも読み返したい、そんな本書です!
著者の古賀史健さんは、「嫌われる勇気」や「幸せになる勇気」、「20歳の自分に受けさせたい文章講義」などで有名なライターさんです。
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書くことは、
生きること。
そして、
考えること。
「あっ、書くってことは考えることそのものなんだー!」と、すっと読者(私)の中に入ってきます。
![けんじたかな](http://kenjitakana.net/wp-content/uploads/2023/02/IMG_1469.png)
あなたも「日記を書きたい」って気持ちになるはずです!
本書の紹介
ストーリー
主人公はタコのタコジロー。
うみのなか中学校に通うタコジローが、ヤドカリのおじさんと出会ったことをきっかけに、成長していく物語です。
お話は対話形式で進んでいきます。
例えていうと、「嫌われる勇気」でいう哲人と青年の対話、コーチングでいうコーチとクライアントの対話、のような感じです。
主人公であるタコジローは学校でいじめられていました。
人格を否定するような、個人の特徴をみんなで笑いものにするような、ひどいいじめです。
「このまま消えてしまいたい」、そう思うくらい心が悲鳴を上げていたタコジロー。
そんなタコジローがひょんなことから、ヤドカリのおじさんに出会います。
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タコジローが悩みを打ち明けたことをきっかけに、ヤドカリのおじさんと対話を重ねていきます。
対話の中でタコジローは日記を書くようになり、いろんな気づきを得ながら、前を向いて生きていく成長物語です。
本書を読んでの感想
”書くことは考えることである”
二人の対話を通して、”書くことの大切さ”を心で感じることができました。
物語としても素晴らしく、タコジローが自分と向き合い、理不尽や困難に立ち向かっていく姿に勇気付けられます。
そして何よりも読みやすく、自分がタコジローと同じように苦しい気持ちを感じる、というような主観的な見方にもなります。
一方、客観的に「自分がタコジローだったら、この状況でどう行動するだろうか?」と考えたりもします。
私もこうしてブログを書きながら考えています。
「あー、自分はどういうことが言いたいんだろうか」とか、「こういう表現をしたら伝わりやすいんじゃないかな」などと考えながら書いてます。
何度も読んで、書いて書いて考えて考えて生きていきたい、って思いました。
![けんじたかな](https://kenjitakana.net/wp-content/uploads/2023/06/IMG_1516.png)
もしいつか自分に子供ができたら、読んであげたい一冊です!
けんじたかなの日記
私けんじたかなも、2年半前から日記を書いており、これから一生続けていきたいと思っている習慣です。
※以下記事でも日記の素晴らしさを書いています。
【書評】思い通りに相手を操る心のガードの外し方
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本書を読んで、「あー、確かにそうだよなー」、「めっちゃわかるわー」って共感するポイントがたくさんありました。
ここからは、本書で得た気づきを書いていきます。
本書で得た気づき
書くこと=考えること
著者の古賀さんが一環しておっしゃっている ”書くことは考えること” について、自分でも考えてみたいと思います。
考えるとは「答え」を出そうとすること
おしゃべりと文章の最大の違い。それは消しゴムの存在なんだ。
会社で同僚と話をしているとき、友人とLINEでやり取りをしているとき、これらのやり取りは特に考えず、思いついた言葉を発しています。
一度発した言葉は、基本的に取り消すことができません。
しかし、文章を書くということはどうでしょう?
特にブログや手紙など、何度も書き直しをして、時間をかけてひとつの文章にしていきます。
プレゼンテーションも同じですね。
まずテーマを決めて、構成を考え、肉付けをしていく。
いらないところを削ったり、言葉を継ぎ足したりして、原稿を作っていく。
そうして、自分の中で伝えたい”答え”にたどり着くんだと思います。
「書くこと」によって、ひとりになる
ここ数年、私はひとりの時間が増えました。
20代前半までは、とにかく人と群れたいという思いが人一倍強かった私。
「一人だと寂しいやつに思われるんじゃないか」
「イケイケグループの一員になれば、一人前の男として認められるんじゃないか」
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周りの目をとにかく気にしていましたね
本書では以下のように語られています。
みんなと一緒にいると、自分ではいられなくなる
あーたしかに。
人と群れていると、その場で自分がどう見られたいかを考えて、立ち振る舞ってしまいます。
書くことで自分だけの世界に入る
日記を書いているときこそ、唯一他人の目を気にしない、自分と対話している状態なのかなって思ってます。
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あのときの気持ちを書く
やどかりのおじさんは、「更新されることのない『あのときの気持ち』」を書くんだと言います。
普段日記を書いていて思うのですが、その日に日記を書けず何日か経ってから書こうとすると、書けないんですね。
”あの時”を思い出そうと思っても、数日経つと結構忘れているんです。
エビングハウスの忘却曲線では、人の記憶は情報を覚えた直後からわずか1日の間に急激に忘却が進むと言われます。
これは日記を書いていてめちゃくちゃ感じることで、その日のうちにアウトプットしておかないと、「あれっ? あの時なにがあったっけ?」となります。
だからこそ、日々書く習慣が大切なんだと実感します。
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日記を書く時間がないときは、スマホの音声入力や、キーワードを箇条書きにするだけでもいいですね!
という前提を踏まえて、『あのときの気持ち』を書くには、忘れないうちに書くことを学びました。
その『あのときの気持ち』はこう捉えています。
あのときの自分にもう一度なって、感じている感情を書くこと
デール・カーネギー著「道は開ける」のなかに”人生は砂時計”という言葉が出てきます。
一度に砂粒をひとつだけ取り出すように、今ひとつのことに集中するためにも、今やることだけを一生懸命にやっていく。
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なにか大切な学びや気付きがあったかもしれない。
自分を助けてくれた人がいたかもしれない。
この気持ちを忘れないためにも、忘れないうちに日記に書くことを続けます。
日記を書くとき、日記を読むときだけ、過去や未来の感情を味わう!
それ以外は ”今” を生きる!
そんな生き方が良いのかなと感じています。
未来の読者がいる
ヤドカリのおじさんは言います。
たとえだれに見せるつもりのない秘密の日記でも、そこには『未来の自分』という読者がいるんだ。
(中略)
真剣に生きていた『あのときの自分』と向き合うことになる。
これはね、書き続けた者だけに与えられる、最高のプレゼントなんだ。
この言葉に心から共感しました。
未来の自分へのプレゼント、めっちゃわかるー!って思います。
私は、定期的に日記を読み返すタイミングが3つあります。
1.毎日、ちょうど1年前の日付の日記を読む
2.毎週末に、この1週間の日記を読む
3.毎年12月末に今年1年間の日記を読む
10年日記には、年が違う同じ日付の日記が表示される仕様があります。
つまり、1年前や2年前の同じ日付の日記が表示されるんですね。
「あっ、1年前の今日はこんなことがあったんだー」
「去年はこんなことで悩んでいたんだなー」
読んでいてこんな風に感じます。
![けんじたかな](http://kenjitakana.net/wp-content/uploads/2023/02/IMG_1468.png)
必ず読者がいる、って思うだけでスースーと書けちゃいますね!
日記は究極の客観視
日記をつけることで客観的になれる
日記をつけることで一番効果があるんじゃないか、と思っていることです。
その時の自分にインタビューしながら、自分と対話していく。
自分の本当の気持ちだったり、欲望だったり、感じていることがわかるような気がします。
普段何も考えずに生きていると、客観的な視点を持つことは難しいですよね。
主観的に、あの時の自分になって書く
客観的に、その日記を読み返して観察する
主観的に書いて、客観的に振り返る
こうすることが自己の客観視をする上で大切なことのように思います。
ようやく気づいたメモする習慣
アラサーになってようやく気づきました。
「メモをすることが大事だよ」ってずっと子供の頃から言われていたことに。
会社員として仕事上では手帳にメモを書いていましたが、日常生活では全くメモを取っていませんでした。
本を読んで、メモをすること、言語化すること、文字にすることの大切さを心で感じることができました。
![けんじたかな](https://kenjitakana.net/wp-content/uploads/2023/06/IMG_1516.png)
メモすることってこんなに素晴らしいんだーって、子どもたちに伝えたいですね!
街を歩いていても、ふと何か大事なことに気づいたら、足を止めてスマホにメモをするようにしています。
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時間が経ってから、日記と同じようにメモを振り返ってみるのも楽しみです。
【おすすめ】合わせて読みたい文章力の本
古賀さんが書かれた文章力の本である「20歳の自分に受けさせたい文章講義」。
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この本の中では、次の言葉が印象に残っています。
読者をイメージするだけでなく「読者の椅子」に座っているだろうか?
普段、カフェでノートPCを持って行って日記を書くことが多い私。
ごくたまにではありますが、デスクや椅子がガタガタして、書きにくいことがあります。
このときこう思います。
「あー、ちゃんとお店の人は全椅子、全机に座ってお茶を飲んだりデスクで文章を書いたりしていないんだなー」って。
このカフェ事例と同じように、文章も同じなんですね。
本の中で、こう書かれています。
結局、われわれが本当の意味でのその「椅子」に座れる読者は、世の中に2人しかいないとぼくは思っている。次の2人だ。
①10年前の自分
②特定の ”あの人”
日記を書くこともまさにこれだ!!って思いましたね。
その他、書くことに関して古賀さんの思いがたくさん詰め込まれています。
是非こちらも読んでみてください。
書くことを大切に生きていきましょう!